膝の痛み「ジャンパー膝」
おはようございます。
先日、高校を卒業されたみなさん、おめでとうございます!
本日は、バレーボールやバスケットボールなどジャンプスポーツで発症することが多い、「ジャンパー膝(ジャンパーズ二ー)」について記事にします。
ジャンパー膝とは?
10代~30代にかけて、主にジャンプスポーツをする方に見られる膝周辺の痛みの総称です。
多く場合、膝のお皿の下に付着する膝蓋靭帯にトラブルが起きる膝蓋靭帯炎を指して表現されます。
この膝蓋靭帯やその付着部に、スポーツ競技による繰り返しのストレスが加わることにより組織が微細損傷していき痛みの原因となります。
膝蓋靭帯とは?
膝蓋靭帯はももの前の筋肉「大腿四頭筋」が膝のお皿に付着する部分で靭帯となりそのままお皿を覆うようにして脛の前面の脛骨粗面へとつながります。
痛みが出現するのは、靭帯がお皿に付着する赤〇の部位です。
痛みに対しての理学所見は、
〇靭帯部分の圧痛
〇腫れと軽度の熱感
〇スクワット時(膝関節60°から80°)の痛み
〇大腿四頭筋のストレステスト
ジャンパー膝の症状は4段階に分けられています。
症状に応じてスポーツ競技に制限をかけることが必要となりますので、こうした評価を基準にします。
1.運動のあと膝の靭帯部分に痛みがあるが、運動は可能である。
→十分なウォーミングアップ、スポーツ後のアイシング、適切な運動療法
2.運動を開始してすぐは痛みがあるが、ウォーミングアップをしていると徐々に痛みが和らいでくる。運動後にまた痛みが出現する。運動は可能である。
→十分なウォーミングアップ、スポーツ後のアイシング、適切な運動療法
3.スポーツ活動中、痛みが強くスポーツに支障が生じる。
→スポーツ活動を制限し、運動療法を実施する。
半年以上の保存療法に抵抗する症状は手術療法も検討する
4.膝蓋靭帯の断裂
→手術療法
レントゲン検査では異常な所見がみられることはほとんどありません。
MRI検査にて、腱実質に炎症所見を認めることがあります。
当院では、超音波診断装置(エコー)により、簡便に症状を把握することができます。
膝を縦に半分に割ると上の画像のようになります。
そこにエコーをあてるとこのように映ります。そのまま炎症反応を確認することも可能なため非常に簡単にわかりやすく状態を判断できます。
鑑別診断として、
膝のお皿の下(骨の部分)が痛む場合
→SLJ病(シンディング・ラルセン・ヨハンセン病)
膝の少し下側(脛の上部)が痛む場合
→オスグッド・シュラッター病
これらを疑います。
上記2つの病態は画像検査での診断等膝蓋靭帯炎とは異なりますので、次回以降の記事で紹介して参ります。
ジャンパー膝の治療法としては、
炎症部位の鎮静と、近接関節の可動域の改善。
大腿四頭筋や股関節周囲の筋肉のトレーニングが必要となります。
当院では痛みの原因をしっかりチェックして、大会や試合の状況に合わせ
適切な治療を提案させて頂きます。