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「突き指」のマメ知識

おはようございます。

今日は球技などで出会うことが多い突き指について記事にしていきます。

単に突き指といっても、痛みがある箇所や重症度により治療方法や治癒までの期間に差があります。

さまざまな病態がある中で、今回は「PIP関節側副靭帯損傷」にフォーカスしていきます。

まず、手の指の解剖を見ていきましょう。

赤〇で囲われた部分は第一関節、医学用語で「DIP関節」とよびます。

青〇の第二関節は「PIP関節」と呼ばれ、突き指で痛めることが多いのは「PIP関節」です。

レントゲンでみると赤〇が「DIP関節」、青〇が「PIP関節」です。

それぞれの関節には、骨同士の安定性を確保するための側副靭帯を有します。

突き指などの外傷が加わり、この側副靭帯を損傷すると、ぐらぐらと関節が不安定になります。

スポーツ活動などでケガをした際に、まずはレントゲンにて靭帯の付着部の骨折が合併してないか確認します。

骨折は合併しておらずとも、靭帯に何らかの損傷があることがあります。

その靭帯の損傷はレントゲン検査では評価ができず、どの靭帯がどの程度痛んでいるかはエコー検査で評価します。

このエコー画像(↓)は第4指の橈側側副靭帯を損傷しています。

理学所見上でも靭帯のゆるみがあり、不安定性がみられました。

損傷の程度によりますが、不安定性がなく曲げ伸ばしも十分可能な場合はテーピングで経過をみます。

上のエコー画像のように靭帯にゆるみが強い症例は1~2週間、下図のように固定する場合があります。

初期にきちんとした処置がなされないと、靭帯の不安定性が改善されずその後のスポーツ活動や日常生活で支障をきたす恐れがあります。

経過とともに症状が落ち着いたら、可動域訓練を開始して動きに制限がなくなった時点でスポーツ活動への復帰を許可します。

単に突き指として放置してしまうよりも、しっかり検査して痛みの原因を明確にしたうえできちんと治療をすることをオススメします。

当クリニックは骨折、脱臼、捻挫などの外傷症状にも対応が可能です。

その他何かお困りでしたらなんでもご相談ください。